このゴミは収集できません ~ゴミ清掃員が見たあり得ない光景~


芸人をやりながら生計のために二足のわらじで清掃員をされている方のエッセイ。
職業もののエッセイは総じて面白いものですが、ごみ収集という誰にも身近な職業ながら、距離を置いてもしまう職業を実際にやっている方からの文章は珍しく、興味深く読めました。
こういった職業を内部から描く文章は、とかく暗くなったり社会批判となって楽しくは読めなかったりするものですが、さすが芸人さんだけあって文章は面白く、社会問題を提起していても素直に受け入れられます。
すべての文章に通じてあるテーマとして感じたのは、ごみを出すのも人間、ごみを収集するのも人間、というごく当たり前のことのように思いました。
どちらも人間だから、めんどくさいこともある、しんどいこともある、でもちょっとした心遣いで楽にもなるし、心が軽くなることもある、そんなことを実体験からのエピソードで感じさせてくれる一冊でした。
そして、こういうサービスを提供する側とされる側の心遣いというのは、ごみに限った話ではないように思います。
外食をしたとき、コンビニエンスストアで買い物をしたとき、お客として利用するときに、ちょっとした心遣いができれば、社会はもっとうまく回る、そんな気がしました。