心の底から欲しい物がある人だけが辿り着ける不思議なコンビニの話


そのコンビニは誰でも行けるわけではありません。自分では気づかなくても、心の底から本当に欲しい物がある人だけが辿り着けるのです。そうして、そこにはこの世の物で無いものはないという。時には、この世に無いものまであったりする。レジの中には、長い銀髪の髪に金色の瞳のカッコいいお兄さんがいます。不思議な話がたくさん詰まったちょっと心が温かくなるこの本は、「コンビニたそがれ堂 空の童話」です。

 売れっ子漫画家の航さんには優秀なお兄さんがいました。このお兄さんは頭が良くて、格好良くて、ハンサムで、航さんはいつもお兄さんの背中を追いかけていましたが、いつも追いつけませんでした。そうして、夢の中でも駅に向かうお兄さんを追いかけますが、追いつけないで目が覚めてしまいます。実はこのお兄さんは、電車の中で痴漢にあった女子高生を助けようとして、逆に犯人に殴られて死んでしまったのでした。夢でさえもいつも追いつけず落胆してふらふらと街をさ迷っていたら、その不思議なコンビニに着いたのでした。

 ここで航さんはキャラメルを買って帰ります。キャラメルのおまけには、小さな運動靴が入っていました。その夜、航さんは夢の中でその運動靴で走って、ついにお兄さんに追いつくのです。事情を話してお兄さんにその電車に乗らないように言うと、お兄さんは、自分がこの電車に乗らないとその女子高生が困るだろうと、「でも、帰ってくる」と航に約束してやっぱり乗っていってしまいます。ところが目覚めると…続きは本作で。
こんな温かな話を読むと、一日の疲れが癒される気がします。他にも「おやゆいび姫」「空の童話」「花明かりの夜に」などあって、癒されます。