ニューヨークのとけない魔法


『ニューヨークのとけない魔法』は、著者の岡田光世さんが実際にニューヨークで暮らして起こった日常の出来事を描いているエッセイ集です。
一話完結型で、各々のストーリーは短くてとても読みやすいと思います。
また、岡田さんが読者の心に残るようにと、実際に使用された英語表現を紹介しており、それも簡潔で覚えやすくていいです。
英語を勉強している人にとっては、その言い回しが役立つかもしれません。
このエッセイで何より心惹かれるのは、著者や他の登場人物の小さくも温かい日常のやりとり。
都会のニューヨークでも、人はふれあいを求めており、どんな小さなことでも、人との心のふれあいには幸せな瞬間が隠れているということを思い出させてくれます。
このエッセイには、様々な国籍や人種の人々が登場し、ユーモアや、時には涙を交えて自分の人生や意見を語るのも、魅力の一つでしょう。
アメリカ社会が堅苦しくなく分かりやすいように描かれているのもよいです。
読み終える頃には、著者を始め全ての話に出てくる人物を愛おしく思い、次第に自分も感情移入し、ほっとしたような気持になります。
現在はインターネットなどのテクノロジーが発達したため、人との直接の交流がより大事に感じられますが、このエッセイを読めばきっと誰かと会い、話をしたくなります。
そして、暗いニュースも多い世の中ですが、人を信じて助けてあげたいと思うはずです。
行き詰ったりストレスを感じたりしている時に、自分の手元に置いておきたい一冊。