「ロスジェネの逆襲」を読んで感じたのは――


「ロスジェネの逆襲」という本の一番の見所は主人公である半沢の「生き様」です。彼の銀行員人生は、前回のシリーズで意味不明な出向を言い渡され閉ざされてしまい、私はこの本を読み終えるまで、疑問を持ち続けたままでした。

なぜ、銀行の窮地を痛手を負いながらも救った彼に、出向を命じたのか。

それが今回のキーポイントとなるようでした。

出向させられた子会社である証券会社でも、半沢は「出世」とそれにからみつく人間の汚さをここでも見ることになります。

胡麻すりをしていた人間が部下には横柄な態度しかとらず、上司に対するストレスの捌け口のように、部下のすることなすこと全てに難癖をつけ放題・・・・・・。

これは半沢も銀行員生活の中で見たきたものと何ら変わらず。それでも仕事を全うし続ける心の強さに、とても感銘を受けました。そしてその姿を見ているのは、上でふんぞり返る上司や同じ世代の人間ではなく、バブルが弾け、就職難の時代に立っていた「ロスジェネ世代」と呼ばれる部下たちでした。彼らは有能でありながら小さな子会社に就職するのでさえましだとされていたためか、世の中に対する味方も上司に対する眼差しも冷酷そのもので、「失望」という言葉がぴったりの彼ら。その中でももがこうと少しの期待を寄せたのは、他でもない初志貫徹の心を持つ半沢の姿でした。

社会人になると、学生の頃に抱いていた目標や夢を諦め「妥協」の人生を歩みがちです。「ロスジェネ世代」はその妥協すらもすることは困難だった。それをいつまでも引きずるのか、それとも前に進むのか、半沢の背中がその選択をさせたのだと私は思います。それと同時に「仕事」とはどういうものであるのか、という主題もあるのかなと感じました。

難しい言葉も説明してあり、読み進める分には何ら問題はないかと思いますので、是非、読んでみてください。